認知症を患った人の5つ心理とは
認知症を患った人の5つの心理とは
今日は、認知症の本人と、その家族の心理についてお話しします。
私は、先週末から、日本クリーフ専門士協会のグリーフ専門士の養成講座に参加してきました。
現在、中級に入ったところです。
グリーフとは、「喪失体験からくる悲嘆と、体の反応」と言います。
「悲嘆」とは、読んで字のごとく、悲しみ嘆くこと。
この状態は、医療や介護では多くの人に起こる感情で、特別なことではないかもしれません。
でも、そこからの立ち直りに、支援が必要な人はたくさんいます。
例えば、今日のテーマでもある「認知症」。
患ってしまった本人も、共に暮らす家族にも辛いグリーフが起きます。
認知症になった本人は、出来ていたことが出来なくなっていることに。
その家族には、何でも出来ていた親が、認知症になってしまったことに。
今日は、認知症になった本人のグリーフについて考えてみましょう。
認知症になった人のグリーフ
①混乱
アルツハイマー病などの初期には、物忘れが目立ちます。
年相応の物忘れだと最初は本人も思っていますが、あまりにも頻繁に起こってくると混乱がおきます。
さらに、物忘れした自覚がないのに、他の人から指摘されると不愉快になりさらに混乱します。
②否認
物忘れの自覚がないため、他の人から指摘されたことが信じられません。
この時期には、周りを疑い、警戒心が強くなります。
度々、人から失敗を指摘されると、自分を守るために、作り話をしてつじつまを合わせようとするのもこの時期です。
④怒り
事実を受け入れられず、抵抗しようとする状態です。
自分の周りで起きていることが不条理にしか受け止められず、まったく無関係な人にまで怒りをぶつけることがあります。
身近な人がうらみの対象になっても、本心ではないことを頭に入れておきたいところです。
⑤不安・抑うつ
当たり前のように出来ていたことが出来なくなると、「自分はどうしてしまったんだろうか」と不安になります。
認知症の人は、このまま自分が壊れて行ってしまうのではないかという、不安と怯えの真っただ中にいます。
気分が落ち込み、何に対しても無関心で、食欲が落ちたり、夜に眠れなかったりします。
認知症と老年期うつは、日常生活に支障をきたすという似ているところがあるので、間違えられやすいとも言われています。
原因が、認知症による脳の機能障害か、抑うつ症状なのかの違いしかありません。
また、高齢になると両方が合併していることも少なくありません。
迷ったら、専門の医療機関を受診しましょう。
認知症になった人のグリーフまとめ
認知症は、進行の過程は人それぞれですが、進行性の病気です。
今まで説明してきたのは、認知症における初期から中期の心理されるものです。
いずれの局面においても、必ずしも段階を踏んで現れるわけではなく、ランダムに現れることもあります。
男性と女性でも違いはあるでしょう。
認知症の方がとる不可解な行動の背景には、いろいろな心理がかくれています。
薬に頼る前に、本人の気持ちに沿った対応を心がけると不安が解消し、心が落ち着くもこともあります。
認知症の家族を介護する人の心理とその対応については、次の機会に投稿します。
今日も最後まで、ブログを読んで頂きありがとうございました。
