最終話【介護とお金の話】一番大切なこと
最終話【介護とお金の話】一番大切なこと
これまで、大切な人を安心して介護するための、5つのポイントについて
話をしてきましたが感想はいかがでしょうか?
このブログを読んで頂いた方の中には、もう知っているよという
介護のベテランの方もいらしたかもしれませんね。
介護する人の心と体を調える、ケアマネカウンセラーの吉田和枝です。
私は、ケアマネジャーとして働いて、20年が過ぎようとしています。
いろいろな家庭を訪問して、介護している人からたくさんのことを学びました。
仕事の合間や貴重な仕事の休みを、私との面談にあててくれる人。
自分の体も辛いのに、ご主人の介護をしている高齢夫婦との面談。
皆さんには、共通しているところがありあます。
それは、介護している人もされている人も、完全に自分の思いどおりには
なっていないということ。それは、自宅で暮らしたいという
それぞれの思いの中で、折り合いをつけて暮らしているから。
私はそれが、思いやりというものではないかと思います。
介護をする上で一番大切なことは、お互いを支配しようとせずに、
思いやりを持つことではないでしょうか。
介護をされる人ができることは、家族に自由な時間を提供すること。
家族ができることは、介護される人がいろいろなことを我慢していることを、
分かってあげることだと思います。
時には、イライラして感情をぶつけあうこともあるけど、
相手をありのまま、受け止められるのも家族ですよね。
家族の中で試行錯誤しながら、お金をかけないように
工夫している人もいます。
- 手作りの手すり。やや安全性に欠けるものもありますが、そこは愛情でクリア。
- 職場が自宅に近ければ、昼休み自宅に帰って一緒に昼食を食べて、おむつ交換をして、職場に戻る人もいました。
- 本人に携帯電話を持たせて、職場からこまめに安否確認。お昼は手の届くところに用意して出かけます。
ケアマネジャーは、介護サービスの押し売りではありません。
介護する人の手の届かない部分に、サービスを組み入れます。
しかし、介護になるまでの人間関係や、認知症などによる介護困難から、
施設を選ばざるを得ない人もいます。
私は、自宅、施設どちらを選んだとしてもOKだと思っています。
特に認知症の人は、近くに人がいないと、とても不安になるからです。
家族じゃなくても、近くに誰かのぬくもりを感じられている環境が必要なのです。
家族の顔が分からなくなってしまったと、悲しむ家族もいますが、
そばに寄り添って、手を握ってあげるだけでもその気持ちは伝わります。
私は、介護を受ける人と家族から、
「施設に入れて良かったのだろうか」
という相談を受けます。
その問いかけに対して
「あなたの人生は誰のためにありますか?」
私はそう問いかけることがあります。
(質問を重ねるのは失礼ですが…)
自分で希望しないかぎり、自分で自分のことが出来るうちに、
施設に入る人はいません。
家族でも背負いきれない部分があって当然です。
介護を受ける人にとって、家族の笑顔が一番の薬だということを忘れずに。
あなたは担当のケアマネジャーに何でも相談できていますか?
ケアマネジャーは、相談されると嬉しいものです。
たとえわからなくても、
「調べてもらえて返事をもらえるでしょうか?」と
遠慮なくお願いしてみてください。
医療にセカンドオピニオンがあるように、介護のケアマネジャーも一度担当したら
変えられないというわけではありません。
ケアマネジャーも相性があわないと思えば変えることもできます。
直接言いにくければ、お住まいの地域の地域包括支援センターに
相談してみてください。
担当ケアマネジャー相談すれば、ケアプランやお金の話は
いろいろ教えて貰えるかもしれない、
でも、あなたの心に寄り添うことができるのは、
ケアマネカウンセラーの私かも知れません。
【介護とお金の話】 最終話 一番大切なこと
